2019年本屋大賞!そして、バトンは渡された・瀬尾まい子【読書感想・書評】

 

 

ぼくたちは、じぶん以外の誰かになることはできない。

このコトバの意味するホントのところを、ぼくはわかってなかった。

 

 

そして、バトンは渡された
あらすじ

本書はお母さんが2人、お父さんが3人いる「優子」という女の子が主人公の物語だ。

産みの母親は優子がものごころつく前に交通事故で亡くなってしまい、幼少期は父親ひとりと過ごすことになるが、ある日、父親が再婚を決意し、優子に新たな母親ができる。

そんななか、父親がしごとの関係で外国に転勤することになるのだけど、優子は学校の友だちと離れるのはイヤだと日本で再婚した母親と二人暮らすことになる(このとき両親は離婚する)

その後、血のつながりのない母親は順に2人の男と再婚するのだが、最後の1人と再婚した時点で蒸発してしまう。

つまり、最終的には3人目のお父さんと優子の2人で暮らしていくことになるのだ。

 

これだけを聞くと、とても苦労した人生をおくっているなと大半の方はおもうのではないか。

もちろん、これらの生い立ちが関係した辛さや寂しさも本書にはある。

しかし、それを終始上回るほどの愛や幸せがこの物語にはあって、そのことに、自分の価値観はいかに身勝手なモノなのかとおもわざるを得なかった。

本書は、家庭が複雑だから暗く重い物語なんだ、という安易なモノではない。

むしろその逆で、とても明るく、こころがほっこりする、幸せな家族を描いた物語です。

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一般的な価値観ではやっぱり人をはかれない

本書を読んでまず思ったのはさきにもすこしふれたとおり、自分のなかにはまだまだ凝り固まった価値観がねずいているな、ということ。

 

これは本書をよんで感じたことを書いたツイートなんだけど、

ホント、幸せの形は人それぞれで、それは、どんな場合であれ人と比べることなどできないものなのだなと、自分の考えを再度見直さざるをえなかった。

「母子家庭は苦労する」というのは、ぼくのなかにある凝り固まったひとつの価値観の例えとしてあげたもの。

もちろん、このコトバどおり母子家庭で苦労したひとはたくさんいるとおもうし、むしろ大半の方がそうだともおもう。

だからそのことを否定したり、軽く見ているつもりは一切ない。

しかし、だからといって母子家庭の方すべてが苦労したのか、ということにはならない。

きっと、苦労を苦労ともおもわず幸せに生きてきた人たちだっている。母親と2人だからこそ、幸せな家庭だと感じるひともいる。

そして、これは逆の場合でも同じで、裕福な家庭だからこそ必ずしも幸せというひとばかりではないだろうし、裕福だからこその苦労もかならずあると考えるのが自然。

じぶんが何気なしに持っていた一般論的な価値観は、なにも本質を見極めれていない浅はかなものだったな。

と、本書を読み、つよく思わせられました。

 

ひとの幸せ・不幸せなんて、ひとの捉え方しだいで答えは無数にあるもの。

そこをじぶんの思い込みであれやこれやと決めつけるなんて、絶対にできないことだなと深く考えさせられたのが、

本書を読んで感じたぼくの率直な感想です。

 

おわりに。

なぜ本書が本屋大賞に選ばれたのか。その真意のほどはわからない。

実際、本書には物語によくある大ドンデン返し的なオチや、カラダが泡立つようなひりつくシーンはない。

しかし、本書が本屋大賞に選ばれたことに関しては、率直に良かったなという嬉しい気持ちでいっぱいだ。

政治家の悪態、芸能人の浮気や薬物使用、誘拐や殺人など、昨今のメディアはどのチャンネルを見ていても楽しくないものが多い。

むしろ、過度に危険や悲壮感をあおるように脚色されたものもおおくて、本来感じなくてもいい恐ろしさや悲しさまで、ぼくたちは受け取ってしまっているような気さえする。

そんななか、本書は一貫して愛の詰まったあたたかい物語だ。そんな明るいモノが世間により一層しれわたるのはとても良いことだと、個人的にはおもう。

本書を読んで、こころが温まらない人などいない。

そうおもうと、案外、書店員さんもそんな理由で選んだのかな?などとじぶんの都合よく考えてしまう。

もしそうであるなら、全国の書店員さんにぼくたちは感謝しなければならない。

暗いことばかりが目に止まる今だからこそ、こころがほっこりと温まるこの物語は、ぼくたちにとってタイムリーに必要なもの。

一般的な考えのせいで苦しい思いをしているひと、精神的につかれているひとは是非、本書を読んでみて。

きっと、こんな生き方もあるのかという新しい価値観が生まれ、こころがフッと解放されるだろうから。

 

 

読書が愛人。

 

 

 

 

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