蜜蜂と遠雷・恩田陸【読書感想・書評】

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ベートーヴェン、ショパン、モーツァルト。

だれもが知っている偉大な音楽家であることは間違いない。

しかし、正直ぼくにとっては〝名前は知っている″くらいの人たちだった。

そして、それらはきっとこれからもそうなのだろうと思っていました。

本書「蜜蜂と遠雷」を読み終えるまでは…

 

 

 

第156回直木賞も受賞されている本書、蜜蜂と遠雷は、ピアノコンクールの様子を描いた物語です。

ピアノなんて全然興味がなかったぼくでしたが〝読書という荒野″という蜜蜂と遠雷の出版社でもある会社の代表、

見城徹さんが書かれている著書のなかで本書を凄くオススメされていたから、今回読んでみることにしました。

参考記事>読書という荒野/見城徹【読書感想・書評】

トップ画像からはすこし感じずらいかもしれませんが、視覚からも手にとった感覚からもサッと読めるような本じゃないなと感じてしまう重厚感のある本書は、

実際読んでみてもはじめに感じたとおりの、読みごたえある本でした。

ピアノコンクールを通し、音楽について書かれているのはもちろんなのだが、ぼくが本書を読み終え、いちばんつよく感じたのは、

「自分の甘さ」という、いかに自分が生ぬるい環境で生きているのか、ということです。

本書の中には、それこそ音楽とは切っても切れない関係に位置するであろう〝天才″といわれる人たちが数人登場する。

 

音楽の天才。

そういったヒトたちを蜜蜂と遠雷では、「音楽に愛されているヒト」と表現されていた。

その表現に間違いはないとおもう。というか、ジャンルが違えど、天才といわれる人はそう表現されることがまあある。

たとえば、数学の天才であれば、数字に愛されている。アイススケートの天才であれば、氷に愛されている、といったように。

しかし、その表現を自分はまだ深く理解できていなかったと本書を読み進めるうちに考えさせられました。

 

何かに愛される。

それは、それ以上にこちらが愛さないと起こりうることのない事象。普通では考えられないような「熱量」をぶつけないと、そういったことにはならないのだなと。

それに、ぼくのような一般人は「熱量」と聞くと、努力というコトバがあたまに浮かんでくるかもしれないが、天才たちのそれは努力とは少し違う。

天才の熱量とは、いわば呼吸みたいなもの。

酸素がなければいきていけないように、目の前のそれがなければ、わたしは生きていけないという、ある種当たり前のように、それらが生活の一部としてあるのです。

 

常人ならば好きなことであれ、そんな生活をつづけるのは難しいものです。

でもそんな思考回路だからこそ、お前はつねに常人なんだと、本書には歴然とした事実を突きつられたような気がしてなりませんでした。

「継続は力なり」といいますが、継続も、また力がいること。

そう考えれば、ただひたすらに打ち込むことができるヒトは、もうそれだけである部分では天才と言えるのかもしれない。

また、そのような毎日を濃密に生きている人達だけが、本書に出てくるピアニストのように、こころから笑ったり泣いたりできるのかもしれない。

蜜蜂と遠雷を読み、じぶんのなかから湧き出てきた感情はいろいろあったのですが、そんなことをこの本からはいちばんつよく感じました。

 

何だか打ちひしがれた人間の懺悔日記みたいになってしまいましたが、本書の奥深さ、面白さは他にもあります。

その中で、もう1つあげるとするなら、やはり「ピアノ演奏の描写」でしょう。

冒頭でも少し触れましたが、ピアノの音が本当に聞こえてくるような描写は、読んでいてすごく心が動かされます。

ああ、ここはきっと悲しげな音なんだろうな。

ここはすごく迫力のあるダイナミックな音なんだろうなと、

あたかもじぶんがコンクール会場にいるかのような錯覚をしてしまうほど、音のひとつひとつを繊細に表現されています。

ぼくはふだん、ロック系の音楽をよく聞いていて、クラシックやピアノといったモノにはあまり興味がなかったのですが、

死ぬまでにぜったい一度は見にいってみようと、「蜜蜂と遠雷」を読み、心に誓いました。

 

ホンモノの音楽を聞けば、本当に本書に書かれているような宇宙が目の前に広がるのか。

演奏者の故郷や情景が浮かんでくるのか。

今はそれを確認したくてしかたがありません。

 

物量がおおく、描写が細かい本書・蜜蜂と遠雷。

大切なエッセンスをしっかり抽出するには読み飛ばすことなど、決してしてはいけないと思わせられる本書は、読みきるのに結構な時間がかかります。

しかし、読み終わってみれば、「なんだ、もう終わってしまったのか」とすこし寂しくもなる。

読後は何かを感じ、考えずにはいられない。

蜜蜂と遠雷は、そんな本でした。

 

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読書感想を主に書いてます。 元ニート×ギャンブラー×無職で結婚した男がゼロから這い上がるべく、日々学んでいます。 【座右の銘】 言いたいことも言えない こんな世の中はポイズン。