ぼくは明日、昨日のきみとデートする/七月隆文【読書感想・書評】

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恐ろしく残酷な恋愛物語。

それが、本書を読んでまずはじめに湧き出たおもいです。

これほどまでに悲しくて、辛い恋愛があるとは…と、おもわずにはいられない本でした。

 

過去を共有して生きていけることが、ぼくたち人間にとって、どれだけ大切で、こころの支えになっているのか。

そんな一見あたり前のことが、実はとてつもない奇跡の連続であり、かけがえのない大切な時間である。

七月隆文さんの著書、「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」は、

そのことを深く考えさせられ、切なさがいつまでもチクチクとこころに残る、とても綺麗な物語でした。

 

ぼくは明日、昨日のきみとデートするのあらすじ

はじめに言っておきますが、ここに書いていく本書のあらすじはネタバレになる内容が含まれています。

ですから、ネタバレが嫌だという方は読むのをおやめください。

 

さて、本書「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」は、どんな本なのか。

一言で言うと、少しファンタジーが入ったSFチックな恋愛物語です。

といっても妖怪や妖精が登場するといった、あからさまなファンタジーではないです。

系統でいえば、映画で大ヒットした「君の名は」に近い感じのファンタジー加減を思い浮かべてもらうといいかもしれません。

 

物語は、20歳の大学生である主人公「高寿(たかとし)」のなんてことない通学風景からはじまります。

その後、高寿はその通学電車で見かけた女性「愛美(あいみ)」に一目惚れし、それがキッカケで2人は付き合うことになり、恋愛に発展していく、

というごくごく有り触れた内容が中盤あたりまでつづきます。

しかし、徐々に仲が良くなるにつれ、彼女である愛美の言動に高寿が違和感をいだきはじめます。

それもそのはず。なぜかというと、愛美はまだ高寿が知ることもない高寿の未来に起こる事実を知っていたり、

読んでもいない本の感想をサラリと口走るからです。

当然、そのことに高寿はツッコミを入れます。ですが、愛美はそのことに強く触れず、いつもはぐらかしては会話のキャッチボールをヒラヒラとかわしていました。

 

少しの時がたち、あるメモを高寿が見つけたことがキッカケで、愛美がその不思議について語りはじめる。

その事実は、あまりにも唐突で彼にとっては受け入れがたいモノでした。

その内容をかい摘んで簡単に説明すると、

  • 彼女と彼は住んでいる世界が違うということ(イメージ的にはパラレルワールドみたいな感じ)
  • 彼が生きている世界に彼女が滞在できるのは5年に一度の40日間だけだということ。
  • さらに、流れる時間が高寿と愛美は逆だということ。

つまり、高寿にとってのあさっては、愛美にとっての一昨日、愛美にとっての昨日は、高寿にとっては明日の出来事になるのです。

その事実を知った高寿と、不思議な謎を打ち明けた愛美。

全てを知った二人はこのあと、ともにいることが許される数日間をどう過ごすのか。

そこが、本書の一番の見どころであり、大まかな物語の設定となっています。

ぼくは明日、昨日のきみとデートするを読んだ感想

本書の感想をストレートに、かつ簡潔に言いあらわすと、「切なすぎる」の一言です。

あらすじでも少し触れましたが、二人の時間は逆方向に流れています。

高寿からすれば、じぶんが年をとるにつれ愛美が若くなっていき、愛美からすれば、年をとるにつれ、高寿が若くなっていくということ。

そんな二人がお互い年をかさね、唯一おなじ年で交わることができる中間地点が、物語の主な舞台である両者20歳の今。

そして、この5年に一度おとずれる40日間が過ぎれば、二人がおなじ年の時間軸で会える機会は永遠に失われてしまう。

つまり、お互いが20歳である40日間しか、二人は恋人として接することができないのです。

こんなに切ないはなしがあるだろうか。

どんなにお互いを好きになろうが、絶対に一緒にはなれない。

さらにその切なさに煽りをかけるのが、この二人は昨日の思い出を共にはなしあい、笑うことも一緒に悩むことすらできない(時間軸が逆だから)、という事実。

それでも、二人はその40日間をともに過ごし、お互いの時間軸で最後の日を迎える。

 

ホント、切なすぎて、泣けました。

 

結婚とか、恋愛がどうだとかは人それぞれで意見があるだろうけど、一緒の時間軸を生きるヒトと結婚したじぶん。

過去を、昨日を共有できる人と結ばれたじぶんは、もしかすると、メチャクチャ幸せ者なのかもな、

と、当たり前すぎる普段の日常に、しっかりと感謝しなきゃなとおもわされる本でした。

まとめ

本書は、2016年に映画化もされ、また、去年の地点で累計160万部を超えている大ベストセラー本です。

ぼくは普段、恋愛ものはほとんど読まないのですが、これはホントに読んで良かったとおもいました。

ただ時間が逆に流れる、5年に1度しか会えない、というとても複雑とはいえない設定で、これだけ話を膨らませられるものなんだなと。

ベストセラーになるのも頷けます。

ホント、面白かったです。

 

本を読んでいると、特に、このような異世界に放り込まれる本を読むと、ふだんの当たり前がとても大切であることに気づく。

 

恐ろしく残酷な恋愛物語。

これほどまでに悲しくて、辛い恋愛があるとは…と、おもわずにはいられなかった本。

しかし、物語をすべて読みおえると、これほどまでに濃密で美しい恋愛もない。

いわずと知れたベストセラー「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」は、

そんなことをいつまでも考えさせられ、深くこころに残る、とても良い良書でした。

 

 

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「読書」と「考えること」が主食。読書から得た学び、これからの生き方・働き方について、主に書いているブロガー。 無職で結婚→日雇労働→副業サラリーマン(今)→面白いことで人生が埋め尽くされている(未来)→木(来世)