「全知」とは、人生を終わらせるモノである。ゲーテ作・ファウスト【読書感想・書評】

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詩人の天才、ゲーテの著書「ファウスト」

本書は、ゲーテが24歳で書きはじめ82歳で書き終えた、まさにゲーテ自身の人生を賭けた書である。

普段、ぼくはこの手の本を読まない。読むのはもっぱらビジネス関連の書籍や実用書、自己啓発本ばかりだ。

しかし、最近読んだ脳科学者である茂木健一郎さんの書に「ジャンルを絞らず乱読することが人生の幅を広げる」と書かれていたので、今回は、その茂木さん自らがオススメしていた書「ファウスト」を読んでみようと思い、今に至るわけです。

関連記事>読書とは、ヒトの脳を喰らうことである。

読み終えた感想を簡潔に言うなら「難しかった」の一言に尽きる。

正直、ぼくは内容の一割も理解できていないかもしれない。それでも、本書を読み感じたこと、考えたことは少なからずあったので、何年後かに自分を振り返る意味も込めて、ここに今ぼくが素直に感じたことを書いておきたいと思います。

 

「知らない」からこそ、
人生は楽しい

ファウストという主人公が学問の力に絶望を感じた時、メフィストという悪魔がファウストの前に現れる。ファウストは、自身が感じている絶望をかき消すような、目もくらむほどの体験を体現するべく、悪魔の力を借り、広い世に足を踏み出していく。

学問の無力。

もし、全ての学問、それだけでなく地球上のあらゆる事象や物事を全て知ることができたら、人間はどうなるのだろう。

この世の誰より満足できるのだろうか。

神のような全能感を得ることができ、この世で一番の幸福者になれるのであろうか。

多分、そうはならないと僕は思う。

生き方で言えば、全てのことを知っているのだから、自分が楽しい、あるいは嬉しいと感じるモノを効率よく選び、それらに身を置き生きていくことで、幸福感や満足感は人並み以上に得ることができるのかもしれない。

しかし、これは自身が思い描いた予想を上回り、心が震えることもない、ということでもある。

未知なる出会いにワクワクすることも、知らないものを知った時の喜びなども一切ないということなのだ。

これは、生きるうえでとてつもなく寂しく、とてもつまらない。

そう考えると、ヒトは「知らない」からこそ楽しいのであり、「知らない」からこそ、喜びもする。

「知らない」からこそ、ヒトは、人生を充実させることができるのだな、と。

これが本書「ファウスト」を読み、大きく考えさせられたことの1つです。

未練・無念が残る死は
そこまで悪いモノじゃない

先に書いた話の延長ですが、もし、仮にこの世の全てを知ったとする。すると、そこから先はある種、虚無感のような人生を死ぬまで過ごすということになる。当然と言えば当然。全てを知ってしまえば、心が弾けんばかりに潤うような事もないのだから。

先ほども言ったように、そんな生き方をぼくはとてもじゃないが楽しい人生と思うことはできない。ある意味、全てを知った瞬間、死んだようなモノだとさえ感じる。

ということは、死ぬ間際まで知らないことや経験したくてもできなかったモノがある方が、ヒトは幸せに死ねるのかもしれない。

未練や無念、悔いが残るということは、その瞬間まで、楽しいこと、心震えることに向け、歩き続けてきたということ。

その道中で死ぬというのは、道半ばではあるけど、幸せに向かう中で幸せを感じ、その幸せの中で死ねるということでもある。

そう考えると、未練・無念が残る死も、そこまで悪いものではないのかもしれないなと。

今年30を迎えるぼくが、死を考えるにはまだまだ経験や年月が浅過ぎますが、本書を読んだことで、このようなことを考えさせられました。

迷うことは、
成長するということ

人生は、選択の連続。

生き方や働き方といった大きなモノから、今日は本を読もうか、それとも健康を考えて少し走りに行こうかといった日常的な事まで、ヒトは日々選択を迫られ、その都度迷う。

しかし、それはヒトとして成長しようとしているからで、昨日よりも今日、今日よりも明日を楽しく生きようと、人生を上向きに生きている良き証拠でもある。

人間は、努力をする限り、迷うものなのだ

本書の中でも、特に好きなコトバです。

悩むこと、迷うことは努力している証拠。あなたはあなたらしく、生きてゆけばいい。

このコトバにはそんなことを自分に言ってもらえた気がした。ぼくの体を軽く、心をとても癒してくれたので引用させていただきました。

終わりに

はじめにも書いた通り、本書「ファウスト」はぼくにとっては、まだまだ計ることができない難しい書。

だから、本書をしっかりと理解している人がこの読書感想を読めば、とんでもない着地点に落ちた感想文になっているかもしれません。まあ、読書感想に正解なんてものはないですけど。

去年から読書をはじめ、割と色んな本を読んできたから少しは自分も賢くなったかなと、いささか天狗気味だったぼくの鼻は、本書を読んだ瞬間、見事にへし折られました。

いやぁ、まだまだ勉強不足です。はい。

というか、ぼくが普段読んでいる最近のビジネスや実用書、啓発本は、ホントに読みやすいモノなのだなということも、本書を読んで感じることができたことの一つ。

ぼくが読書を始めることができたのも、きっと読みやすかったからなのだなと。

 

はっきり言って、読書デビューに読むような作品ではない。

しかし、1度読み切ってしまえば、また何年後かに必ず読み返したくなる書でもあることも確か。

普段、文学を読まないぼくにとっては、嫌でも思考を廻らせられる、とても刺激的な本でした。

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ABOUTこの記事をかいた人

「読書」と「考えること」が主食。読書から得た学び、これからの生き方・働き方について、主に書いているブロガー。 無職で結婚→日雇労働→副業サラリーマン(今)→面白いことで人生が埋め尽くされている(未来)→木(来世)