2018年本屋大賞はなぜ「かがみの孤城」が選ばれたのか。【感想・書評】

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2018年4月。

本屋大賞受賞作品は辻村 深月さんの『かがみの孤城』に決定!!というニュースを見ました。

ふだん、物語は読まないぼくですが、本屋大賞に選ばれる作品とはどんなものなのか?ということに興味がわき、読んで見ることにしました。

早速買いに行こうと本屋に向かい、店内に平置きされている「かがみの孤城」を見つけたとき、本書の分厚さに多少おどろきましたが、よみはじめるとあら不思議。

続きが気になり、あっというまに読み終えてしまいました。

率直に面白かった。読んでよかった。

ただ、それだけの感想で終わらせるのはもったいないから、

今回は本書「かがみの孤城」はなぜ本屋大賞に選ばれたのか、その辺りについてすこし分析してみたので、本書の感想と併せて書いていきたいと思います。

 

2018年本屋大賞
かがみの弧城ーあらすじ

本書のあらすじを簡単にはなしておく。

中学生である7人のいじめられっ子や不登校の子供たちが物語の主な登場人物で、その子たちの家にある「かがみ」が、ある日突然光りだした。

そこに手をかざすと引っ張られるようかがみの中に吸い込まれ、現実の世界とはまるで別の空間にある孤城に連れていかれる。

そこには、〝オオカミさま″と名のるオオカミのお面をかぶった少女が1人立っていた。

オオカミさまは7人を集めて言う。

この城のどこかに鍵がある。それを見つけたものは、どんな願いも1つだけ叶えてあげる。ただし、期限は一年(正確にはもう少し短い)。期限を過ぎるとこの城に入ることは、2度とできない。

カギ探しが目的の中、おなじ時を重ねていくことにより、徐々に7人は打ち解けていく。そして、現実の世界ではみんながみんなイジメられたり、学校に行っていないということを知っていく。

友達といえる友達がいない7人にとって、ここにいる7人は境遇も似通っていることから、いつしか痛みを分かり合える本当の友だちとなっていくのだ。

目的はいつしか鍵探しより、この孤城でみんなに会うことになっていく。そんな頃合いをみはからったように、オオカミさまは、また7人を集めて言う。

言い忘れたが、誰かが願いを叶えると、この城で過ごした記憶は全てなくなる、と。

やっと分かり合える友に出会った7人にとって、その言葉はあまりに重すぎた。

願いを叶えるのが大事なのか。

友達との記憶を残すのが良いのか。

はたまた、全然違う結末が待っているのか。

7人はそれぞれの思いを抱え、期限付きであるかがみの孤城での日々をどうすごし、最後にはどんな答えを導き出すのか、ということが描かれている。

大雑把に説明するとこんな感じ。

どうです?おもしろそうでしょ?

本屋大賞とは?

ここからは本題の感想となぜ「かがみの孤城」は2018年の本屋大賞になぜ選ばれたのかということについて書いていきますが、もう1つだけ、さきに説明しておくことがある。

それは、そもそも本屋大賞ってどんなもので、どうやって決まるの?ってこと。

詳しくはこちらをご覧いただくのがいいかと思います>>本屋大賞

そんな時間ないよ!という方はここに要点だけを簡単にまとめておきますので、そのまま読み進めてください。

本屋大賞とは、「売り場からベストセラーをつくる!」という思いからつくられたもので、全国の書店員さんだけが投票できる権利があるのだそう。

選考機会は年に一回で、大賞の作品はその1年のうちにかかれたモノだけなんですって。

一次投票では、一人3作品をえらび、その集計結果で上位10作品を決める。その10作品を全て読んだ上で、ベスト3に順位をつけて再度投票。その集計結果で大賞が決まるのだ!

これが本屋大賞の経緯と選考方法です。

もちろん、今年の2018年も同じ選考方法で本屋大賞を決めています!

それでは、やっとこさ本題!笑

本書「かがみの孤城」はなぜ2018年の本屋大賞を受賞できたのか。

ぼくなりの分析と意見を述べさしてもらいます!

かがみの孤城は、なぜ2018年
本屋大賞を受賞できたのか

一気読みできる軽い文章だから

先に言っておきますが、内容が軽いといっているわけではない。

ここで言いたいのは、本のページ数(500ページ以上)の割には一気に読めてしまえる構成だったということ。

アマゾンレビューや読書感想記事を見て回りましたが、圧倒的にこの意見は多かった。

実際ぼくもそう感じた。

なぜ、一気に読めてしまったのか。

ぼく的には2つの大きな理由があるのではないかと考えた。

まず1つめは作中、ずっと「モヤモヤ感がある」よう本書は描かれていたこと。

モヤモヤ感とは、いってみれば〝伏線″のこと。〝謎″でもいいかな。

人気漫画のワンピースで言えば、空白の100年を解き明かすポーネグリフ、進撃の巨人で言えばアッカーマンという東洋人の謎みたいな「気になるー!!」ってなるやつ。

こういった伏線が本書にはバランスよく散りばめられていた。だからずっと気になり続けて、一気に読んでしまうのではないかと。

もう1つの理由は、中学生の日記のような語り口調にあると感じた。(批判の気持ちは1ミリもないのでここは勘違いしないで)

物語は基本的に、こころという女の子の目線で描かれているのだけど、それがありありと表現されていることが、読みやすさをさらに煽る結果につながっているのではないかということです。

それに、本書はひらがなの割合がとても高い。そういったところも読みやすさをさらに加速させる要因になっているとぼくは感じました。

面白い内容にプラスして読みやすさが加わったことで、高評価を得る1つの理由になったのではないか、

というのがぼくの第一の考えです。

後半の数十ページが圧巻

これも、アマゾンレビューで高評価をつけてるヒトの多くがクチにいている感想です。これまたぼくも同意見でした。

ただ、参考としてあげておくと、低評価をつけてるヒトたちの意見としては、そこまでが長すぎる!というコメントが多かったのも事実です。

まあ、確かに長いと言えば長い、とぼくも正直おもった。

先に書いたとおり読みやすい分、メチャクチャ長え!!とは感じませんでしたけど、多少の間延び感はあったかなぁと。

それでも、その時間をしっかりとした内容で返してくれるぐらい、ラストは引き込まれる。

読み終わった後は、なんとも言えぬ読後感を与えてくれます。

終わりよければ全て良し!という言葉がありますが、本書の高評価もおなじで、そういった人間の心理がはたらいている、というのが2つ目の意見です。

ちょうど良い謎加減

さきでも触れた本書のなかで展開される伏線や謎。

これね、しょうじき読むヒトが読めば、だいたいのことは「やっぱりそうなのね!」と予想の範疇に収まる内容なんです。

普通に何も考えずよみすすめるとそんなことにはならないと思うのですが、ぼくのようにこのような「分析」とかしちゃうズレた野郎は、ラストはこうなんじゃないの?と考えながら読まずにはいられない。

でもよくかんがえてみれば、これって本屋大賞を決める書店員さんにもおなじよみ方をしているヒトは多そうじゃないですか?

本をいっぱい読んでいるからこそ、ラストを予想してしまう。これって結構あると思うのです。

もしそうだとしても、疑問がひとつのこる、とおもったかたもいるだろう。それは、仮にそうだとしても、予想を裏切らないのであれば面白くないのではないか、という反論だ。

この問いにたいしてのぼくの意見は、予想を裏切らないから面白くない、なんてことはなく、むしろ若干当たるくらいの方がヒトは喜ぶ。という答えだ。

というのも、人間は確認するという作業が大好きだからだ。

好きなアーティストのライブにいくまえには、多くの人がそのアーティストの楽曲を聞いてからいくだろう。これも一種の確認作業。

ライブ感てのが重要なのはわかるけど、そこを突き詰めると何も知識がないほうがライブ感は感じれるという答えになるから、やっぱりライブ前の予習は確認作業に入ると思う。

「君の名は」なんてまさにそうで、見たことがあるひとがまた見に行く。面白いと知っているからまた見に行く。これは面白い!と確認したから何回も見に行き、またその面白さを確認するという確認作業に他ならないと思うのです。

そう考えると、予想を裏切らない伏線もそうで、「ラストはこうでしょ!?こうだよね!?やっぱりそうでしたかー!!」ってなるのもあながち悪いモノではなく、むしろ楽しい。

予想通りなのか、裏切られるのかというどちらに転んでもおかしくない、ちょうど良い不安定感が、本書がヒトをひきつけた理由なのではないかなーと。

本を予想してよみたくなるような、本好きのヒトなら特にね。

これが意図して作られたものなのか、そうではないのかはわからないけど、本書に対しての魅力になっているのは間違いないと思いました。

ま、えらそうなことを言っていますが、ぼくは最後、ものの見事に予想もしていなかった展開にはめられましたけどね。笑

本屋さんはいじめられっ子が多い

完全なる偏見です。すいません。

だから、この部分は茶番だと思って読まなくても全然いいです。ただ、可能性はあるという話。

ぼくの見まわした中で、三番目に多かった本書のコメントが、共感できました!というレビュー。

当然ながら本書の内容を共感できるヒトにとっては、とても面白い作品になったでしょう。それに、これは本書に限ってのことではなく、自分と共感できるものはなんだって面白く、深くかかわりたいと思うモノですよね。

ということは、「共感できるヒトが多い=それだけ本が売れ、読まれる」という図式がなりたつ。

これを本書「かがみの孤城」と本屋大賞の関係で表すと「いじめられっこ・不登校に共感できる=書店員さんにはいじめられっこが多い」という図式が成り立たなくもないですよね。

だから、2018年の本屋大賞を獲れた、といえなくもないわけです。まあ、あくまで可能性、仮説の範囲ですが。

それに、そういった体験が今ではなく過去に、と付け加えていた方が適切なのかもしれません。

偏ったモノの見方ですが、無きにしも非ずとは言えるのではないでしょうか。

まとめ

いかがでしたか?

これが本書「かがみの孤城」が2018年の本屋大賞を獲れた僕なりの分析と理由です。

ズラズラとここまでかいてきましたが、さいごに要点だけをサクッとまとめると

なぜかがみの孤城は、本屋大賞を獲れたのか

  • 先が気になり続ける伏線のはり方と、読みやすい文体、漢字の少なさで一気に読むことができるから
  • 終わりよければすべて良し!多少の間延び感を打ち消す怒涛のラストがあったから
  • 予想通りなのか、はたまた裏切られるのかという伏線・謎のバランスが絶妙だったから
  • 書店員さんには不登校やいじめられた経験があるヒトが多かったから

と、いう感じかな。

さいごの強烈な偏見はさておき、あながち間違ってないんじゃないかなと僕は思ってる。まあホントのところはだれにもわかりませんけどね。

こんな読み方は邪道だというヒトもいるかもしれない。

ふつうに作品を楽しめよ!と思われるかもしれない。

でも、1度でいいのでこういったことも考えながら読んでみてください。

意外と面白いな、ってなる人も必ずいると思うし、思いのほか勉強になる。

ぼくのような、ブログやSNSで何かを書くことが生活の1部にあるヒトは特に。

本書が気になった方は是非、1度読んでみてください。

 

 

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2 件のコメント

  • 年末から購入していて、本屋大賞に選ばれるし、minamiさんはオススメしてるし(読んだら先入観入ると思って、拝見するの控えてました!)で、早く読みたい〜!と思ってて、今日時間できたので、一気読みしました!!

    minamiさんのレビューを読んで、フムフム、なるほど!と思いました^_^

    本好きは、どこかナイーブなところを持っているひとだと思うので、その意味で本屋大賞に選ばれるべくして選ばれた本だな、と思いました!

    ライトノベルに近いので、重厚な世界観とかを期待された方は評価が低くなるかもしれませんが、大人の童話、と考えると良作だと思います^_^

    • 大人の童話ってのは、まさに本書をあらわすピッタリの表現ですね!自分もまさにそう感じました。それに、いつもコメントありがとうございます(*^^*)嬉しいです!

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    読書感想を主に書いてます。 元ニート×ギャンブラー×無職で結婚した男がゼロから這い上がるべく、日々学んでいます。 【座右の銘】 言いたいことも言えない こんな世の中はポイズン。